[HOME] [INFORMATION] [STORY] [CHARACTER [ARKAID] [AKIHA] [CIEL] [HISUI&KOHAKU] ] [OFFICIAL]

遠野 秋葉


「その人は、死んでなんていません」
「―――え?」
「でも殺されたんです。
――兄さん、あなた自身の手によって」
秋葉は俺の心を見透かすように強い視線で告げる。
赤い夕日のせいか。
ぐらりと眩暈がして、体のバランスがあやふやになる。
 ……幼いころの自分。
   暑い、悪夢のように暑い夏の日。
   血にまみれた秋葉と少年。
   入道雲と、どこまでも鳴り響く蝉の音―――
「―――俺は」
「ほら兄さん。人には、誰だって秘密にしておかなけれ
ばならない事があるでしょう?」
どこか愉しそうに微笑って、秋葉は教室を後にする。
ざあ、と流れる長い黒髪が、鯨幕を連想させた。

Scene 1 Scene 2

<< 表情集 - Hシーン >>

TYPE/MOON - HTML SECTION